観劇感想を中心に日々雑感を語ってみる。
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♯ 今井清隆スペシャルトークイベント

@倶楽部PASONA -表参道-(14:00)

思い起こせば数ヶ月前。
帰宅途中にスペリング・ビーで2度ある貸切公演がどちらも「ベネフィット・ワン」で、そのHPで「先行予約期間にチケット買ったら5/16にやる今井さんのトークショーに招待しちゃうよん」という記述があること発覚。
会社の福利厚生サービスなんかをやってる会社で、個人会員になるためには入会金1万、年会費5〜6千円。流石にそのためだけに入れないなぁ…としょんぼりしつつ「かくかくしかじかで残念だよ〜。知り合いでベネフィットと契約してる会社の人とかいないよねぇ?」とW嬢にメールを送ったらあっさりと「うちの会社会員だよ?」と返事をもらい、狂喜乱舞してチケット申し込みをお願い(笑)貸切公演のチケットと共に届いた招待状を握りしめて、二人で行ってきました。W嬢超感謝!

会場はPASONAグループのラウンジみたいなところ(他のフロアにはリラクゼーション系のサービスもあった。もちろん会員向け)で、その中のセミナーなんかを行うらしきスペースに椅子が並べられてる感じです。参加者は50人くらいといったところでしょうか。ピアノが置かれていて蓋が開いてたので「歌ってくれるのかな?」とちょっと期待。
開始前には軽食や飲み物、デザートが置かれていて「ご自由にどうぞ」と太っ腹。がっつり食事してしまったので食べられず残念。

※ 長いので折ります。以下内容は私の記憶頼りなので、口調や実際の言葉やニュアンスとは違っています。「こんな感じだったのね〜」程度ということでご了承下さい
最初にぴあの方が司会で入場。今井さんのプロフィールを簡単に紹介して拍手で今井さんがin。入ってきて客席を見回すなりぶはっと吹き出して「よく見る顔が結構いるな〜」と笑う今井さん。ファンなんてそんなものです(笑)
最初に「舞台以外の今井さんを初めて見る方は?」という質問があって、ちらほらと手が上がってました。そのせいか、「そもそも何故ミュージカルを志したんですか?」という話しからスタート。

・何故ミュージカルを志したんですか?
「英語の専門学校に通っていて、その同級生に風早美樹さんというミュージカル評論家の方がいたんです。…もう亡くなってしまった方なんですけどね」
 風早さんがお亡くなりになっていたことをこのとき初めて知りました。心よりご冥福をお祈りいたします。
「みんな20歳前後の中で一人随分年上の方だったんですが、仲良くなって色々ミュージカルに連れて行ってもらったんです。その中で『ラ・マンチャの男』を見てとても感動して、自分もあの舞台に立ちたいと思ったのがきっかけです」

・そもそも学生時代音楽はやってたんでしょうか?部活とか
「小中学校は体操部で、高校に入ってからはサッカー部とバレー部を掛け持ちしてました」
 ここで「運動神経のいい奴はあちこち呼ばれるんですよ〜…昔は細かったんだから!」と照れる今井さん(笑)
「で、ちょっと身体の調子を悪くしてできなくなって、それでフォークソング同好会に入ったんです」

・じゃあ歌うことは昔から?

「好きでしたね」

・役者で食べられない時代に色々アルバイトをされてたという情報があるんですが?
「どっから聞いたの!」と笑いつつ、「実家がとび職なんで、そういう関係は慣れてたんですよ。よく手伝ってましたから。だからいわゆるガテン系…ってみんなわかる?(客席がうんうんと頷く)が多かったですね」

・他には?胡椒工場でバイトをしていたと聞きましたが…
「だからどこで聞くのよ!(教えてくれる人がいるんです、と司会の方) アルバイト雑誌に『誰でもできる軽作業。胡椒を袋に詰める作業です』って書いてあったから、それなら楽でいいやって受けたんだけど、それは女性の仕事で男は強制的に30kgの胡椒袋を担いで階段を上り下りして中身を大きな器(?すいません、具体的な単語覚えてません)に入れる仕事を一日中やらされたんですよ」

・喉に悪そうですよね

「悪いなんてもんじゃなくて、くしゃみが『はっくしゅん』とかじゃないんですよ。『ぶえっくしゅ!がはっ』みたいな感じで喉も痛いどころじゃなくて…って、凄く痛くてね。それでやめようと思ったら工場の人が『昨日入ったやつはたった半日で辞めたんだぜ』とか言うんです。そうなると変なとこで負けず嫌いだから『よーし、じゃあやってやる』って。だってそう言われたら辞められないじゃないですか!結局3ヶ月続けて、次の舞台が決まったから『仕事決まったから辞めます』って堂々と言いました」

・正に「♪下〜向け〜目を合わすな〜♪」の世界ですね!
「ほんとだね(笑)」
 場内も爆笑でした。

・ディズニーランドでは凄い方と一緒にアルバイトされてたんですよね?
「はい。ブラッド・リトルという後にBWでファントムやってた人で。BWでファントムっていうのはもう野球で言ったらメジャーリーグですよ!でもあの頃は20歳くらいで、僕は27歳くらいだったかな?すごく純粋な子でした。20年ぶりに会って、お互い体型が全然違うからびっくりです(笑)」

・日米で同時にファントムを演じていた?
「そうですね。見た目は全然違うんだけど、何故か同じ役を結構やってるんです。ファントム・ビースト…あ、ジャベールも。あのころはダンサーだったので『歌えるなんて知らなかった』と言われました」

・過去印象に残った演出家は?
「蜷川幸夫さんの演出を2回受けていて、東宝現代劇のワークショップ(?)でも教えて頂いたんですが、本当に怖いんですよ!伝説になってる灰皿投げっていうのは本当です!でも、役者は商品だから、絶対にぶつけたり傷つけたりしないように上手く投げるんです。一つの愛情なんですね」
 ここで帝劇で何度も上演された「近松心中物語」の話題が出ました。客席中に雪を降らせて舞台では役者の膝まで雪で埋まるほどの吹雪の演出は圧巻だったと、司会の方と興奮気味に盛り上がってました。

・それでは過去共演して印象的な俳優さんは?

「浅岡ルリ子さんと共演したときに舞台袖でいきなり手招きされて、『はい!なんでしょう!』と慌てて近寄ったら『あんた、いい男ねぇ』と言われて、一生着いて行こうと思いました(笑) いやほら、昔はもっとスリムだったから…」
 よほど嬉しかったのか何度も「あんた、いい男ねぇ」のフレーズを繰り返す今井さん(笑)超にこにこでした。

・舞台で歌っていて気持ちいい!ってことはありますか?
「それはとても難しいです。体調や喉のコンディションが良く、場内のお客さんとの一体感なんかが上手くハマって、歌詞も考えながらじゃなくて自然に出てきて、次の段取りのこととかが全く気にならないくらいぐーっと入り込んで…でもなかなかないですね。それに自分が気持ちよくてもお客さんが『良かった』って感じるとは限らないし。自分が『今日はいまいちだったなー』って日がとても評判良かったりして。未だにそのバランスはわからないです。難しい」

・では歌っていて気持ちいい曲は?
「気持ちいいというか、『Stars(レ・ミゼラブル)』は盛り上がりますね。最後『♪おれは〜〜〜♪』と伸ばして、ビシっと終わってわーっと拍手が来て気持ちよく退場できます(笑) 逆に『Bring him home(レ・ミゼラブル)』は最後ファルセットです〜っと終わるので、お客さんも拍手していいのかわからないような感じの時があります」
 「それはもう、お客さんが入り込んで聞き入ってるからですよ!」という司会の言葉に場内拍手(笑)

・転機になった作品は?
「やっぱり『レ・ミゼラブル(以下「レミゼ」)』ですね」

・そのレミゼでは沢山の役をされたそうですが?
「まず学生のクールフェラックとブリジョン。それからジャベール、バルジャンの4役ですね」

・レミゼのカンパニーの中でアンサンブルからバルジャンになった方は今井さんだけですよね。今のアンサンブルの方たちの目標になってるんじゃないですか?「オレもいつかは…!」って
「そうなんですかねぇ?」(照れながら)
 確かこの辺で坂元健児さんの話しが。「彼は僕の『ブイ・ドイ(ミス・サイゴン)』を聞いて、『自分もこの歌を歌いたい!』ってミュージカルを志したそうなんですよ。なんていい子なんだ!と(笑)」

 さらに話しの流れでジャベールの話題に。
「僕ね、ジャベールが一番『ミゼラブル』な人だと思うんですよ。他の人たちは皆愛されて、惜しまれて死んでいくのに、ジャベールだけは自ら命を断ってしまって…」という今井さん。「『Stars』は自殺の最後にメロディが流れるんですよね。星は刑事としての道を照らすとジャベールは歌っていたけど、自殺したジャベールを星は冷たく照らしていただけで」と司会の方。
 個人的な話しですが、私はあそこで流れる「Stars」は「ジャベールは星を眺める時だけ、ほんの少し心を緩められる。そんなジャベールが星になった(帰った)」と勝手に解釈してたりします。誰にも心を許さず、常に理性と規律で気を張っていたジャベールが満天の星空の中でだけは「自分」に戻れる瞬間があったんじゃないかな…なんて。どのジャベールも「Star 星たちは 限りなく暗闇を照らすのだ」の辺りでちょっと表情が優しくなる気がするんですよね。

・ところで、稽古場の今井さんはどんな立場なんですか?仕切る人?まとめる人?
「僕は癒し系なので(お腹の辺りを見ながら笑) 張りつめてピリピリした稽古場で『今井さんがいるとほっとする』とよく言われます」

・台詞や歌詞を覚えるコツはあるんですか?
「意外と台詞覚えは早いんですよ。一番早かったりします。コツは朝覚えること。稽古が終わって帰ってきてから覚えようとしても、集中できなくて効率が悪いんです。だから朝起きてすぐ…ぼーっとしてると思うかもしれないけど、一番集中できるんですよ、そのときが。後は何度も覚えること。稽古で間違ったらもう一回覚え直す。それを繰り返してるうちに自然に口から出るようになって、身体に入るんです。だから間違うと『あちゃー』じゃなくて、『もう一度覚えられる』って思うことにしてるんですよ」

・歌詞と台詞ではどちらが覚えやすいですか?

「やっぱり音がついてる歌詞です。台詞の1/10くらいのスピードで覚えられます」

・再演と初演では使う労力は変わりますか?
「やっぱり一度やったことは身体が結構覚えているので、再演の方が『さらう』といった感じでできあがりは早いですね」

・旧歌詞が出たり、新しい段取りが覚えにくかったりしない?
「それはそれでまた覚えるしかないし、大丈夫です。でも何かアクシデントがあると咄嗟に出るのは昔の歌詞だったりするんだよね〜。最初に覚えたことっていうのは意外と忘れないんですよ」

 そしてここから「スペリング・ビー」の話し。現在「恋のたわむれ」が本番間近でお稽古真っ最中の今井さん。多分そちらで手一杯で、スペビーに関してはまだ手が回らない様子。まあ当然ですよね。

・今回初顔合わせの共演者も多いのでは?
「藤井さん・梶原さん・風花さん・高田さん、それから意外なことに安寿ミラさんとも共演がないです。梶原さんは東京サンシャインボーイズの舞台を見に行ったことがあって、そのときの役がとても個性的で印象に残ってます。藤井さんはテレビで拝見しているととても熱いキャラクターの方で、楽しみですね」

・他ジャンルの方が非常に多いですが、刺激を受けますか?
「とても受けます。楽しみですね」

 ここで台本に目を通したという司会の方が「今井さん演じる『ミッチ・マホーニー』はコンテストで負けた子供たちをケアするカウンセラーなんですが、癒し系(笑)な反面男らしい所もあって、『オレに子供を慰めることなんてできない。オレにできることはジュースを渡してギュッと抱きしめることだけだ』なんて台詞もあるんですよ」と言うと、今井さんが段々ノリノリに。

・曲数も多いと思います。コーラス参加も入れてですが
「そうなの!?コーラスかぁ…コーラス向きの声じゃないんだよねぇ、俺。…いや!ちゃんと綺麗にコーラスできますよっ!」

 ちなみに「ステージ上にでずっぱりになるんじゃないか」ともおっしゃってました@司会の方。色々話しを聞く度に「へぇ!」「そうなんだ〜」と興味津々の今井さん。まだ(もう?)2ヶ月先ですが、スペビーもとても楽しみですね。

そして最後に歌を2曲。FCイベントでも歌って下さった「Stars」(旧歌詞でした)と「Jupiter」。オケも同じでした。
「Stars」を歌い終わった後の大拍手を受けて「ね?」(最後がビシッっと終わってお客さんが拍手しやすいという話しのことだと思われます)とお茶目に笑った今井さんがとても印象的でした。

長いレポになりましたが、あくまで「こんな感じ」程度に読んで頂けたら幸いです。後半に行くに従って日数経過してるから記憶薄れてるし…。間違ってる所とかあったらほんっとすみません;
でもこうやって振り返ると本当に色々な話題が出てきて、内容が濃く、充実したトークショーでした。やっぱり司会の方がミュージカルを見ていて、好きだという気持ちが伝わってくると話しが弾みますね。
楽しいトークショーに参加できてよかったです。W嬢よ本当にありがとう!
| 今井清隆 | 14:00 | comments(2) | trackbacks(0) | | |

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♯ コメント

SHさま>
コメントありがとうございました。
やはり司会って大切ですよね。ミュージカルを知ってるか知らないかで大違いです。
今回は本当に司会の方のおかげで楽しいトークショーでした♪
| k-tag | 2009/05/20 11:21 AM |
初めまして。詳しくてしっかりしたレポありがとうございました!!!大感謝です。「星よ」の解釈も興味深かったです。司会者の方の質問内容が豊富で優秀でしたね。参加できた方がうらやましいです。
| SH | 2009/05/19 8:37 PM |

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